小さい飲食店を開業するときの疑問にお答えします

Small restaurant

飲食店をこれから開業しようと検討している方の中には、1人でも切り盛りできるような小さい飲食店を開業しようと検討している方もいるのではないでしょうか。
小さい飲食店を開業しようと検討していても、実際に開業してから他の飲食店のように稼ぐことは可能なのでしょうか。本記事では小さい飲食店に関する情報について紹介します。

1.小さい飲食店の現状

実際に、小さい飲食店ではどの程度稼ぐことができるのでしょうか。小さい飲食店の実態を詳しく解説していきましょう。

1-1. 売り上げ

お店によって異なるものの、工夫をすれば毎月1,000万円以上売り上げを達成することは難しいことではありません。

繁華街に限らず地方の小さい飲食でも工夫をすれば、大型店舗並の売り上げを可能にできます。小さい飲食店だから稼ぐことができないということは決して当てはまらないので、安心して開業を検討しましょう。

1-2. 経営状態

小さい飲食店でも成功しているお店であれば、毎月黒字で安定的な経営をしている場合も珍しいことではありません。

さらに小さい飲食店の中にはミシュランガイドに掲載されるようなお店も多く存在します。経営がうまく軌道に乗れば、思い描いている夢を達成することが可能になる可能性があるため諦めないことが大切です。

2.小さい飲食店開業の費用について

小さい飲食店の開業に必要な資金はどの程度必要なのでしょうか。開業に必要な費用について紹介していきましょう。最大10人収容できるお店をイメージし、どの程度開業のために必要なのか紹介します。

2-1.物件取得費

物件を取得するエリアによって異なりますが、小規模のお店であれば10坪程度での開業も可能です。仮に繁華街で10坪程度の飲食店を契約したいと考えた場でも、10万円程度で借りることが可能です。

10万円の物件を取得する場合、前家賃1カ月分、保証料(6カ月分)、仲介手数料(1カ月分)が必要でも、80万円程度で借りることが可能です。100万円あれば十分でしょう。

2-2.内装費

内装費を1から設計した場合でも、スペースが限られているので100万円以内で依頼することが可能です。もちろん、内装にこだわれば費用が高くなりますが、100万円でも十分な内装は可能でしょう。

予算を少しでも抑えたいと検討しているのであれば、居抜き物件がおすすめです。居抜き物件を借りることで、家賃を大幅に削ることが可能になります。内装を検討する際は、内装費用を設定してお店を探すようにしましょう。

2-3.設備

小さい飲食店では設備費用が大規模に比べてコストが高くなってしまうことがあります。開業しようとするお店によって設備は大きく異なります。ラーメン屋を開業するのであれば、ラーメン専用の設備が必要になり、寿司屋では専用のショーケースが別途必要になります。

自分が開業予定のお店によって、揃えなければいけない設備が異なるため調査をして準備をするようにしましょう。

しかし、スペースが限られているので必要最低限の設備に留めるよう配慮することも忘れないようにしてください。

3.小さい飲食店は一人で切り盛りできるのか

小さい飲食店を開業しようとしても、実際に一人で切り盛りができるのでしょうか。結論から言えば可能です。しかし、飲食店未経験の方がいきなり1人で切り盛りをしようとすると、失敗してしまう恐れがあります。そのような場合は次のようなことに気をつけてお店を経営する必要があります。

3-1.効率のよいシステムを作る

人気店に成長すると、お店に行列ができ回転率を上げなければいけない必要性が生まれる可能性があります。

一人で切り盛りをすると、接客、会計、調理を全ておこなわなければならないので効率の良い経営方法を確立する必要があります。

例えば複数のメニューを用意すると調理にも時間がかかってしまう可能性があるため、メニューを1種類に絞らなければいけません。特に1人で切り盛りをする場合は、このような方法が必要不可欠になるため、必ず設定しておくようにしましょう。

3-2.ピーク時だけスタッフを雇う

ランチタイムとディナータイムを営業しようと検討しているお店では、ランチタイムだけスタッフを雇いピーク時を乗り切るという方法があります。

特にランチタイムは回転率を上げて売り上げを飛躍的に伸ばす必要があります。スタッフ1人を雇うだけで、接客、会計をスタッフが担当し、調理に自分が専念することも可能になります。

3-3.無理のない経営プランを検討する

ランチタイム、ディナータイムを1人で切り盛りをする場合、仕込み、仕入れ、店舗準備などをおこなっていると、朝早くから出勤し、夜遅くまで働かなければならないことがあります。

このような働き方では最初は1人で切り盛りできていても、将来的に体を壊してしまい、結果としてお店を閉めなければならないと言うことも考えられます。このような事態を回避するために、無理のない経営プランを検討しましょう。

例えば、ランチタイムは営業日全てをおこなうのではなく、限定にする、ディナータイムは売り上げの良い日だけに絞るといった工夫が必要です。

開業後に変更しても問題ありません。大切なことは、無理なく経営するためにプランをしっかり検討しておくようにしましょう。

4.繁盛している小さい飲食店の実例はどの程度あるのか

実際に繁盛している飲食店はどの程度あるのでしょうか?繁盛しているお店の実例を紹介していきましょう。

4-1.もてなしくろ喜

都内でも屈指のラーメン屋さんです。10席にも満たないお店でありながら、行列を常に作っているラーメン屋です。

このお店では回転効率を上げるために行列に並んでいる人に事前にメニューを渡し、食券を購入してもらい時間短縮に工夫を凝らしています。

4-2.天ぷら 下村

ミシュランガイドにも掲載された天ぷら下村は、20席にも満たないカウンターで切り盛りをしているお店です。

小さい飲食店として少し規模が広めのお店ですが、10席以下で切り盛りをしている天ぷら屋は多くあります。天ぷらのよい点は、予約客が多いため売り上げを見込みながら営業することが可能なところです。天ぷら以外にも、寿司屋でも同様な形式で経営をすることが可能です。

5.小さい飲食屋を経営するために気をつけること

小さい飲食店を経営するためには、次のようなポイントに意識をしながら経営を計画すると成功する可能性が高くなります。ぜひ開業時には次のようなことに気をつけて経営をしましょう。

5-1.メニューの差別化をおこなう

小さい飲食店は、席数が限られているため多くのお客さんを一度に入れることができません。
お客さんの単価を下げるのではなく、来店したお客さんがまた来店したいと思わせることが大切です。そのため、飲食店として足を運びたいという魅力的な何かが必要不可欠になります。

食材にこだわりのメニューを提供する、デカ盛りなど話題性のあるメニューを提供しているなどのメニューの差別化が必要になります。

メニューの差別化に成功していないと、失敗してしまう恐れがあるので、必ず開業時にはメニューをしっかり検討するように心がけましょう。

5-2.お客さんとのコミュニケーションを積極的にとる

小さい飲食店は、チェーン店や大きな店舗にはない付加価値をつける必要があります。そのためには、オーナー自身も商品として売り出す必要があります。

オーナーの人気が出れば、常連客が料理だけでなく、オーナー目当てで足を運ぶことも珍しいことではありません。

オーナーとして人気を獲得するためには、コミュニケーション力が大切です。積極的にお客さんと会話をして、楽しい場所であることを演出しましょう。

5-3.効率のよい動線を考える

回転率をあげるためには、効率のよい動線を考える必要があります。スペースが狭いため、スタッフも効率よく動く必要があります。

例えば、自分以外に誰かを雇うことを検討しているのであれば、どのように動き商品を提供するのか検討するようにしましょう。レイアウト段階から動線を考えながらお店を設計すると、うまくいく可能性があります。どこに何を置くのかまで細かく考え無駄のない動きを実現させましょう。

一方でスタッフの動線だけ考えていても効率的とは言えません。お客さんの会計方法も無駄のないようにするためにはどうすべきかを考えるようにしましょう。

5-4.コストダウンを慎重に検討する

集客がうまくいっていないお店は集客を高めるためにコストダウンをして集客を図ろうとするケースがあります。

しかし、安易なコストダウンは注意が必要です。場合によってはコストダウンをしたことで、お店の経営状態を悪化させてしまう恐れがあります。コストダウンを検討する前に、他の方法で改善できないか検討するようにしましょう。

それでもコストダウンを検討しているのであれば、どの程度までコストを下げてもよいか一度冷静に検討しましょう。

5-5.修行時代に顧客を獲得する

ラーメン、天ぷら、寿司など修行ができる業態の飲食店で開業を検討しているのであれば、修行時代から顧客獲得に向けてアクションを起こすようにしましょう。

修行時代に客の心を掴めば自分がお店を開業した時にお客さんとして足を運んでもらえる可能性があります。修行時代にただスキルを学ぶための場所だけではなく、営業場所として認識しながら行動するようにしましょう。

この時気をつけることは出店場所に気をつけることです。修行時代に近い場所にお店を出店すると、お客さんを結果的に奪うことになる可能性があります。最低限離れた場所での出店をしましょう。場合によっては暖簾分けをしてもらえる可能性もあるので、修行するお店には独立する旨を伝えて働くようにしてください。

6.まとめ

小さい飲食店でも開業するために気をつけるポイントに注意をしながら開業を進めれば、大規模飲食店以上に稼ぐことが可能です。これから小さい飲食店を開業する方は今回紹介したポイントを参考にしましょう。

「飲食店のツナグ」では、開業希望の方に有益な情報を多く発信しています。これから小さい飲食店を開業しようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。みなさんの利用をお待ちしております。