【ドタキャン】飲食店が考えるべき無断キャンセル対策について

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飲食店経営の中で、必ず対策をしなければいけないものが、予約客の無断キャンセル(通称ドタキャン)です。最近ではコース料理を予約しているにも関わらず、無断キャンセルをする厄介な予約客います。本記事ではドタキャンをされないように飲食店はどのような対策をすべきなのかを紹介していきましょう。

1.無断キャンセルの現状

無断キャンセルはさまざまな場所で問題として取り上げられています。これまでは無断キャンセルをした客に関する事例はあまり認知されていませんでした。しかしSNSが普及して以降、飲食店側の情報発信により、無断キャンセルをしている客が一定数いることが分かります。

2019年には1人1万円するコース料理を17人分予約している客が、偽計業務妨害行為として逮捕された事例もあります。さらに、最近ではGo To Eatのポイントを取得するために、予約をしてポイント取得後に予約を無断キャンセルした事例も報告され、悪質な予約が目立ちます。
飲食店を運営していくうえでは、こうした無断キャンセルをおこなう客に、どのように接していくかが極めて重要です。
無断キャンセルの厄介なところは、売り上げが落ちるだけでありません。コース料理などで確保していた食材費分赤字が増えてしまうことがあります。お店としては、無断キャンセルをする客への対応を放置していくわけにはいかず、対策が必要になります。

2.無断キャンセルする理由

飲食店へのキャンセルをするお客さんを減らすために、ドタキャンをする理由を把握しておく必要があります。お客さんがなぜキャンセルをしてしまうか、その理由をある程度把握することで、事前に対策を打つことが可能になります。
ドタキャンをしてしまう無責任なお客さんは、以下のような理由で予約を突然キャンセルしてしまうのです。

2-1.予約を忘れていた

予約したことを忘れてしまっているケースもあります。このようなお客さんは、予定をかなり前から入れていることが多く、当日に忘れて他のお店に行ってしまうこともあります。

2-2.当日人数が集まらなくなった

席だけを予約しているお客さんの中には、当日人数が集まらずドタキャンをしてしまうケースがあります。特に2名から3名で予約をした場合、人数が集まらないという理由で当日お店にやってこないことも考えられます。
少人数でのドタキャンは、席の予約のみであれば特に気にすることはありません。しかしコース料理などを予約している場合は飲食店側に赤字が発生してしまう可能性があるので、必ずキャンセル料が発生することを伝えるようにしましょう。

2-3.有名店に興味本位で予約をした

テレビや雑誌で見たお店を、とりあえず興味本位で予約するお客さんもいます。興味本位で予約をしたお客さんは、予約日が迫ってくると、「やっぱり行きたくない」「行く気が失せた」などの気分で取りやめてしまうことがあります。

2-4.都合が悪くなってしまった

悪意のあるドタキャンもあれば、急に予定ができてしまいお店に行けなくなってしまうケースもあります。このような場合、お客さんの中には連絡をせずにそのまま放置するケースもあります。
特にデートをする男性が、相手が行けなくなったので、キャンセルをしてしまうというケースが多くあります。都合の悪くなり行けなくなったお客さんが安心して連絡できるような仕組みを考えるようにしましょう。

2-5.複数のお店を同時に予約していた

大規模な飲み会を開催する際に、お店を複数に仮予約を入れてお店を抑えるという方法を取っているお客さんもいます。大規模の飲み会を企画しているお客さんは、2ヶ月〜3ヶ月以上前から予約していることも珍しくありません。
かなり前から予約をするため、結果的に人数が読めず当日参加者が大幅に減少してしまい、別のお店に予約をして以前予約していたお店にキャンセルの連絡をすることを忘れてしまうこともあります。
仮にキャンセルしていないことに気付いても、このままお店に行くとキャンセル料を取られてしまうという懸念から敢えて連絡をしないこともあります。団体で予約をするお客さんは、当日キャンセルされないような仕組みを作るように心がけましょう。

2-6.ネットで気軽に予約ができる

ネットで予約をするお客さんも珍しくありません。このようなお客さんはドタキャンをする際に、電話を無視すればそれで問題ないと思っていることもあります。もちろん、キャンセルをする際には、お店に迷惑のかからないようにしなければなりません。

ネットシステムで予約を採用している飲食店は、責任感のないお客さんが予約を簡単にキャンセルできないような仕組みを考えておくようにしましょう。

3.無断キャンセルさせないためにできる対策

無断キャンセルをしないために、どのような対策をすべきなのでしょうか。飲食店が無断キャンセルのトラブルで巻き込まれないためにできることを紹介します。

3-1.前日に連絡をおこなう

予約客のお客さんが無断キャンセルをしないよう、前日に連絡をおこなうようにしましょう。予約連絡をする際は、LINEやメールではなく直接電話がおすすめです。留守番電話にメッセージを入れるだけでも効果があります。

前日に予約客に間違いがないかを確認するため、必ず連絡を入れましょう。
前日に連絡をする際は、キャンセル料の発生する旨や、人数の変更、当日キャンセルがどのような場合にできるのかなどを伝え、キャンセルをしても良いような情報をお客さんに共有するようにしてください。

3-2.保証金制度を活用

無断キャンセルを防ぐために、保証金制度を活用しているお店もあります。保証金制度では、大口の予約客やコース予約客に対してのみ適用し、1人いくらと設定したお金を前金として支払う制度です。
この制度を活用すれば、予約客がキャンセルされても最低限のお金がお店に入るためお店としても大赤字にならないというメリットがあります。
高級な食材を使ったコース料理を提供している飲食店では、このような制度を積極的に採用し、予約客が無断キャンセルできないような環境を整えるようにしましょう。

3-3.保険サービスの利用

飲食店が独自にできる対策は、限界があります。どのような対策を取っても予約をキャンセルされることもあります。
最近では、無断キャンセルが発生した際に、一定額を返金保証する保険サービスを提供している保証会社もあります。場合によっては保証会社を利用して、リスクを避けるようにしましょう。
保険料として一定数毎月費用が発生してしまうデメリットはあるものの、いつ不測の事態が起きても安心です。不安があれば、保証サービスに加入をして無断キャンセルを回避するようにしましょう。

3-4.アプリの活用

予約アプリを活用して無断キャンセルを防止する方法もあります。代表的なアプリとして、「トレテル」というアプリがあります。
トレテルでは、予約直後、予約規定などをお客さんに送り、同意をしなければ予約が確定をしないというサービスです。もちろんお客さんが予約を忘れないように、お客さんがSMSで確定連絡を入れないと予約が確定しません。

予約内容もわかりやすく表示されるので、お客さんが「知らなかった」「聞いてなかった」と言い逃れができないような仕組みになっています。
それでも万が一ドタキャンされた場合でも安心です。アプリでは飲食店に詳しい弁護士に相談ができるため、ドタキャン後に弁護士経由でキャンセル料を請求できるようになります。予約キャンセル防止アプリをうまく活用してトラブルを避けるようにしましょう。

3-5.予約客の上限を設定する

無断キャンセルを避けるために、1日に予約できるお客さんの上限数を設定しておきましょう。上限数を設定しておくことで、無断キャンセルが同時に発生しても、被害を最小限に抑えることが可能です。最悪の事態を想定して、安心して運営ができるような体制を作るようにしましょう。

4.もし、無段キャンセルされたら、どうしたらいい?

万が一無断キャンセルをされてしまったら、どのようなことをすれば良いのでしょうか。無断キャンセルに遭遇した場合は、次のような手順で対応するようにしましょう。

4-1.弁護士に相談

裁判を起こせば、予約を無断キャンセルしたお客さんからキャンセル料を回収することが可能です。弁護士経由での回収を検討しているのであれば、弁護士に相談をしましょう。
しかし、弁護士に相談をすると、依頼料がかかり結果的にキャンセル料で損失した金額以上に費用がかかってしまうことも考えられます。さらに、裁判沙汰に発展すると費用だけでなく時間もかかってしまい、飲食店経営とは別の対応をしなければなりません。

弁護士に相談するのであれば、一度無断キャンセルをしたお客さんに連絡を入れて、弁護士に相談する旨を伝えてから実行するようにしましょう。

4-2.代行会社に依頼をする

キャンセル料金を専門の弁護士が代わりに回収するというサービスを提供している代行会社もあります。代行会社に依頼をすれば、無断キャンセルで発生した損失の一定の料金の回収が期待できるでしょう。
代行会社が全ておこなうので、ドタキャン客に対して対応する手間を省くことも可能です。
しかし、手数料が一定数かかってしまうことと、会員登録前のキャンセル料の回収は難しいなど、サービス会社によって規定が異なるため注意が必要です。

5.無断キャンセルされないために必要なこと

無断キャンセルをされないために大切なことは、予約キャンセルをさせないのではなく予約キャンセルをしても、お店、お客さんがwin-winになるような仕組みを作ることです。
予約したお客さんを逃げない仕組みを作るだけでなく、予約が柔軟に変更できるような仕組みも必要です。無断キャンセルをしないようなお店独自のルールを考えましょう。

6.まとめ

飲食店の無断キャンセルは見過ごすことができない問題です。どのようにすれば無断キャンセルが発生しないのか、今回紹介した対策やポイントを意識して、お店の運営をおこないましょう。
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