【飲食店開業】自己資金ゼロからの開業は可能!?低資金開業を考えてみた

Restaurant opening

飲食店の開業者は、資金がどの程度必要なのでしょうか。自己資金がゼロでも開業は可能なのでしょうか。本記事では、飲食店を開業するために自己資金がゼロでも、開業が可能なのかについて紹介します。

1.そもそも飲食店の開業費用は、どれくらいかかるのか?

飲食店で開業するためにはどの程度の開業費用が必要なのでしょうか。開業に必要な資金について考えていきましょう。

1-1.最低限必要な資金

一般的には開業するにあたり最低でも200万円程度の資金が必要と言われています。資金として最低限必要なものとして、家賃、調理器具、内装費、材料費、人件費、広告宣伝があります。人件費、広告宣伝費はゼロでも可能ですが、それ以外の費用は必ず発生します。開業準備を普通に進めると、200万円程度必要だと言えるでしょう。

1-2.内装費を削り資金を下げることも

内装を自分でおこなうことで、費用を下げることも可能です。場合によっては内装を自分で手掛けDIYで準備をすすめましょう。
DIYは開業資金を抑えられる一方で、開業までに時間がかかるというデメリットがあります。内装作業に遅れが出てしまえば結果として、開業できずに家賃だけを支払い続けければならない状況が考えられます。内装を自分達でおこなう場合は、工期に注意をするようにしてください。

2.自己資金ゼロでもお金は借りられるか?

自己資金がゼロの場合、お金を借りて開業準備を進めようと検討している方もいるのではないでしょうか。自己資金ゼロの方でも、お金を借りることができるのでしょうか。

2-1.借りられないことが多い

飲食店の開業には最低でも200万程度の借金が必要です。自己資金がある程度あれば、まとまった資金を融資する金融機関も多くあります。しかし、自己資金がゼロの状態の人に200万円を貸すと、全額回収できないリスクがあるため借りられないことも考えられます。
自己資金がゼロの人が金融機関から開業資金を一時的に借りることは難しいと言えるでしょう。

2-2.借りられるケース

一方で借りられるケースもあります。開業費用の一部を融資してもらうという形であれば、融資をする金融機関もあります。しかし、借りられる金額は最大で100万円程度で、開業資金には十分な金額とは言えません。
既に物件を保有し、内装が決まっているなど特別な状況でない限り、少額の資金は難しいと考えましょう。

3.自己資金ゼロでも、日本政策金融公庫からお金を借りるには?

金融機関から借りられなくても、日本政策金融公庫であれば借りられると考えている方もいるのではないでしょうか。日本政策金融公庫は、新規ビジネス事業を立ち上げる人に対し、融資をする機関で、金融機関に比べて審査のハードルが低いというメリットがあります。自己資金ゼロの方でも同じように借りることができるのでしょうか。
結論を申し上げれば、日本政策金融公庫は、全ての人に対し簡単に融資額を提供するわけではありません。融資を受けるためには、融資金額の10%を用意する必要があります。そのため自己資金ゼロの状態で申告しても、却下されるでしょう。ただし、自己資金がゼロの人でも特定の条件を満たせば、融資してもらえる可能性があります。

3-1.出店予定の飲食店を法人化する

飲食店を法人化することで、自己資金ゼロの方でも想定している資金の確保が可能です。法人化は経営者1人だけでは難しいので、必ず共同経営者を配置しましょう。共同経営者がいれば、法人化の条件を満たしているので、法人化申請をおこなったうえで日本政策金融公庫に相談するようにしてください。

3-2.飲食店からの独立

日本政策金融公庫が融資する条件として、現在行っている仕事と同じ業種の事業を始める場合に該当する場合、自己資金がゼロの人でも融資してもらえる可能性があります。
飲食店から自己資金ゼロで独立を検討している場合は、同じ業種の事業を始める人に該当します。飲食店で働いた経験のある方は、この条件を理由に申請して下さい。

3-3.条件を満たしても申請が通過しないことも

日本政策金融公庫が指定している条件を満たしていても、希望の資金額を融資してもらえない可能性があります。大切なことは、事業計画書や収支予測を作成し、「この人に融資をしても資金が回収できる」と思わせることです。
条件を満たせば自己資金がゼロでも資金確保できる分けではないので、審査担当者が納得するような具体的な計画書を提示し、審査が通過するようにしましょう。

4.日本政策金融公庫から断られてしまった場合は

自己資金ゼロの方の中には、日本政策金融公庫から資金を得られなかったので開業を諦めようと考えている方もいるのではないでしょうか。別のアプローチで資金を確保する方法もあります。あきらめずに資金確保のアプローチ方法を考えるようにしましょう。

4-1.地方自治体の支援制度を利用

地方自治体の中には、飲食店開業予定の希望者に対して資金提供をしているケースもあります。開業予定の自治体が支援制度をおこなっていないか、確認してください。
支援制度の中には資金を提供するのではなく、内装費の負担、物件の手配などの方法で支援をすることもあります。開業資金に必要な費用が抑えられれば、消費者金融などから融資してもらえる可能性があるので、自治体制度を活用し負担を減らすようにしましょう。

4-2.FC店のオーナーになる

大手フランチャイズチェーンの中には、開業資金がゼロの人に対して開業資金を支援する制度を設けているケースもあります。開業資金がゼロでも、FC本部が開業資金を保証してもらえるため、資金確保で苦労することはありません。スムーズに飲食店の開業を検討しているのであれば、FC店を考えましょう。
FC店のオーナーになれば、自己資金問題はクリアされるものの、FCのマニュアルに沿って開業するため、経営者としても裁量は限られてしまいます。更に開業したお店が必ず収益が安定するとはいえず、借金を抱えたまま閉店せざるをえないことも考えられます。
資金を確保するのが手間なのでFCのオーナーを検討するのではなく、将来的な視野で加入を検討するようにしてください。

5.なるべく少ない資金で飲食店を開業するには?

自己資金がゼロの方でも工夫をすれば資金を最小限に抑え、開業することも可能です。自己資金が十分に確保できないのであれば、開業資金を抑えながらの開業方法も検討しましょう。
最小限の費用で開業するのであれば、以下のようなアプローチで開業を検討してください。

5-1.居抜き物件を借りる

費用を少しでも抑える方法として、居抜き物件を借りる方法があります。居抜き物件であれば、前の間取りをそのまま使えるため内装費を削ることが可能です。内装費用を抑えたいのであれば、居抜き物件を活用しましょう。
居抜き物件の中には、契約時にテーブル、椅子などの装飾品の引継ぎをおこなうかどうか細かく決められる場合もあります。閉店予定の飲食店の中には不要品の処分費用を浮かすために装飾品をそのまま次のお店に譲ることもあるので、前の店舗責任者と交渉するようにしましょう。

5-2.中古の厨房器具を使用する

厨房器具も工夫次第で抑えることが可能です。飲食店向けに中古品を販売しているお店から厨房器具を買い取れば、正規値段よりも安く厨房機器の確保が可能です。中古の厨房器具で設備を整えるようにしましょう。

5-3.クラウドファンディングで資金集めをおこなう

最近では飲食店の中でもクラウドファンディングを活用して資金を集めるケースも珍しくありません。クラウドファンディングで資金集めをおこないましょう。成功しているケースも多く、一見簡単にできるというイメージを持っている方もいますが、決してそうではありません。
クラウドファンディングはお客さんから資金を得るため、お客さんに開業前に魅力的であることをアピールする必要があります。さらに出資してもらえたお客さんに対して一定のリターンを設定する必要があります。最近では、リターン内容が不十分で開業後にトラブルになり結果的に閉店に追い込まれてしまうお店もあります。
クラウドファンディングをおこない自己資金を確保しようと検討しているのであれば、リターン内容を慎重に検討し、トラブルが発生しないように工夫をするように心がけてください。

5-4.後継者として既存店舗で働く

資金確保が難しいのであれば、後継者として既存店舗で働く方法があります。後継者を探しているお店の同意があれば、スムーズな流れで後継者になることも難しいことではありません。
飲食店経営のノウハウがない方でも、既存店で働くことで、飲食店の経営ノウハウを学ぶことが可能になります。資金が確保できない場合は、後継者として既存店で働くことも視野に入れましょう。

6.自己資金がなければ開業できない

自己資金がゼロでもさまざまな方法で開業が可能です。しかし、さまざまなアプローチにはリスクやデメリットもあるので、慎重に検討する必要があります。
着実に開業を成功するためには、開業資金ゼロでの開業を考えるのではなく、目標の開業資金を確保してから開業をおこなうようにしましょう。開業資金を低く抑えて開業することが目標ではなく、あくまで長期にわたり経営することが大切です。
無理な計画の元に開業準備をおこなうのではなく、一定の資金を確保したうえで開業をおこなうようにしてください。それでも資金が思うように集まらなければ今回紹介した方法を検討するようにしましょう。

7.まとめ

自己資金を抑えて開業する方法は多数あり、自己資金がゼロの人でもその気になれば飲食店の開業が可能です。今回紹介したポイントに注意をしながら開業準備を進めるようにしてください。
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