地方や田舎で成功する飲食店開業のポイント

Countryside

地方、郊外、田舎などで飲食店の開業を検討している方は、都心と違う戦略で出店を検討する必要があります。本記事では、地方や田舎で飲食店を開業する際にどのようなことに気をつけるべきかを紹介します。

1.田舎の飲食店の開業費用の違い

田舎で出店する最大のメリットは、費用の安さです。開業費用が都市部に比べて安いので、費用を抑えた開業が可能です。どの程度費用が異なるのか紹介していきましょう。

1-1.家賃

最も大きな違いは、家賃です。都市部では郊外に比べると家賃が高くなる傾向があります。同じ広さの物件でも、都市部では家賃が2倍、3倍になることも考えられます。家賃は毎月かかる固定費ですので、その費用が低く抑えられるのはメリットと言えるでしょう。

1-2.家賃以外の初期費用も安く設定されていることが多い

家賃だけでなく、その他の初期費用も安く設定されていることが多くあります。保証金、仲介手数料、礼金などそれぞれの費用が都市部よりも安くなるため、開業資金を他へ回すことが可能になります。

1-3.競争が激しい

理想的な物件がある場合でも、都市部では他の業種も出店したいと検討していることが多く、入札競争が激しくなり、結果として価格が高くなる可能性があります。
一方で、田舎の物件は、都心に比べると競合相手も少なくなるため、希望の物件や出店したい場所で開業できる可能性が都心に比べて高くなります。

2.田舎で開業する際に確認しておくこと

田舎や郊外で開業する場合、事前に確認しておいた方がいいことが都心部とは異なります。ここでは、田舎・郊外で出店するにあたって、確認しておくべきことを紹介します。

2-1.人通りや人の流れ

田舎・郊外で出店する際は、人通りや人の流れを把握しておく必要があります。田舎・郊外の場合、駅の近くに出店をしても、駅の利用者が少なく、そもそも集客が見込めないことも考えられます。そのため、駅前だからOKとは判断できません。

田舎や郊外では、都市部とは違い、公共交通機関が十分でないところもあり、自動車での移動が一般的という地域も多いです。そのため、出店エリアとしては、交通量の多い幹線道路沿いや、観光客が多く集まるエリアがおすすめです。事前に調査する際には、交通量を把握することはもちろんのこと、年間を通じて人の動きがどのように変化するのかを把握するようにしましょう。季節に応じて観光客の人数が変動したり、通れなくなる道ができたりする可能性も十分に考えられます。

2-2.競合店の有無

田舎の場合、競合店が1店舗でもあると、固定客の奪い合いに発展してしまう恐れがあります。そのため、競合店の調査は重要です。

先述の通り田舎や地方では自動車で移動をする人が多いため、競合店の調査は都市部よりも広範囲で調査をする必要があります。出店エリアを調査する際は、最低でも1キロ圏内に競合店となりそうなお店があるのかを調査するように心がけてください。

2-3.補助金の確認

自治体によっては地方で開業をする際に必要な資金の一部を援助する制度を設定しているケースがあります。特に地方に出店しようと検討している方は、補助金の制度の有無を確認し、開業資金を少しでも抑える方法を検討するようにしてください。

3.都会とは違う!田舎の集客方法

田舎では都会での集客方法とは違うアプローチが必要です。田舎で出店を検討しているのであれば、集客方法も都心流ではない方法を検討しましょう。

3-1.ターゲット層を絞らない

飲食店を開業する際にはサラリーマン、大学生、20代女性などとターゲットを細かく設定することが重要とされています。しかし、田舎や地方ではターゲットを細かく限定してしまうと、失敗してしまう恐れがあります。

田舎では、リピーターになってくれるのは地元の住民の方です。何度来ても飽きないようにメニュー数をある程度準備した方がいいでしょう。また、来てくれるお客さんは様々です。小さいお子さんから中高年の方まで、どのような層の方が来店してもメニューを選ぶことができるように、メニューを絞りすぎないようにするといいでしょう。

3-2.集客の工夫を考える

都会では、お店の前に看板を持って立っていれば、お店の前を通ったお客さんをお店へと誘導することが可能でした。しかし、田舎では都会のような集客方法では通用しない可能性があります。集客をする際は、状況に合わせた工夫をする必要があると考えましょう。

例えば、集客する際にSNSを活用して注目を集める方法です。SNSを活用することで、地域の人だけでなく、広範囲での宣伝が可能となり観光客へのアピールができます。お店を開業するのであれば、SNSを開設し、積極的に情報を発信していくように心がけましょう。

また、地元の住民の方へは、チラシを作成して配布したり、チラシを自分で直接持って行ってお店を紹介したりする、アナログな方法が有効です。特にリピーターになってくれるお客さんが少ない地域では、地元の方とのコミュニケーションを兼ねて自分自身を売り込みましょう。

3-3.希少性をアピールする

地方のお店では、都心のお店では体験することが難しい、ここでしか体験できないイベントを実施することも大切です。たとえば、そばのお店を地方で出店したとしましょう。ただ蕎麦を提供するだけでなく、「蕎麦作り体験もできる」とするだけで、都会にはない価値を生みだすことが可能です。

さらに、景観が美しいお店であれば、景観を活用した独自イベントを実施するだけで、都会のお店では体験出来ないような演出をすることも可能です。
大切なことは、都市部と違う視点でイベントや企画を考えて付加価値を付け加えることです。イベントの認知度が高くなれば、飲食店として安定した集客が期待できるため、出店する際は、希少性をアピールするアプローチも検討してみましょう。

3-4.駐車場は必ず設置する

飲食店を出店する際は、必ず駐車場を設置するようにしましょう。十分に土地が確保できない場合は、必ず近くの駐車場を契約するなど対策を検討しておくようにしてください。
地方のお店で車のアクセスがなくても集客が見込める場所は、観光地以外にありません。手軽に足を運ぶことが可能になるように、駐車場を確保しておくようにしましょう。

3-5.地元のニーズに向けたサービスを提供する

地元のお客さんを獲得するため、ニーズに合わせたサービスを提供するようにしましょう。アイドリングタイムはカフェタイムにして地元のお客さんが集いやすいようにしたり、歓送迎会にも対応したりするなど、地元の人にとって利用しやすいサービス提供も大切です。

出店する際は、競合他社の情報を調査し、お店に取り入れた方が良いサービスを積極的に導入し、宣伝するように心がけましょう。

3-6.配達事業も展開する

出店した地域に、似たような業種のお店がなければ配達事業を提供することで需要が高くなる可能性があります。配達事業はイートインの売り上げをカバーするケースも考えられるため、売り上げを補填するために積極的に取り入れてみましょう。

4.田舎の飲食店に適したコンセプトとは?

田舎で飲食店を出店する際は、コンセプト設計が最も重要になります。コンセプトを設定する際は、下記のポイントに注意をして設計をするようにしましょう。

4-1.地元の食材を活用する

地元の住民だけでなく、観光客や地元以外の客層をターゲットとしているのであれば、地元の食材をふんだんに使用したメニューを提供することも大切です。地元の食材を活用し、ご当地メニューを提供すれば、高い確率で観光客をはじめとしたお客さんの獲得が期待できる可能性があります。

一方で、地元の食材を使用する際は、地元の人が認めるような味作りに努めることが大切です。地元の人が「おいしくない」と判断してしまうと、集客に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。地元の食材を活用しご当地メニューを提供して集客を検討しているのであれば、競合店のリサーチをして、地元の人に認められるようなメニューを開発しましょう。

田舎は都会に比べて住民に好印象な状態で出店すること大切です。特に自分の生まれ故郷ではない場所で出店することを考えると、出店する地域住人にとってメリットがあることを考えておく必要があります。
町おこしに役立つような、飲食店に来店する人が地域にお金を落とすような役割を担うなど、認知度を高めるような食材の使い方を意識するようにしましょう。

4-2.都会のサービスを地方で提供する

地元の人にとってメリットの多いサービスを提供しようと検討しているのであれば、都会では当たり前にある業態を検討しましょう。例えば、原宿で人気のスイーツを出店する方法も1つのアプローチであると言えます。

しかし、都会で流行しているものを導入すれば全て受け入れられるということもありません。必ず出店する際は、需要がどの程度あるのかを事前に調べた上で出店を検討するように心がけましょう。

4-3.コンセプトで失敗しないために気をつけること

コンセプトで失敗しないために気をつけることは、徹底したリサーチ調査をおこなうことです。リサーチをしっかりしておけば、失敗する確率を大きく下げることが期待できます。

リサーチをする際は、周辺環境の調査はもちろんのこと、地域で実施されていない事業の確認や、過去の出店したお店でどのようなお店が閉店しているかなど細かく分析するようにしてください。

4-4.長期的な視野で出店を検討する

地方や田舎では都会のように固定客を獲得するために時間が必要になるケースも考えられます。出店する際に、3ヶ月で黒字経営を目指すと設定していると、失敗してしまう恐れも考えられます。

出店をするのであれば、事前に準備をおこない半年程度赤字が出ても問題ないように長期的な視野で検討しましょう。また出店後経営が安定しても、周辺に大型ショッピングモール施設が出店しまうと客足が大幅に減少してしまう恐れがあります。

出店する際は、必ず10年程度の期間を考慮して、周辺環境に変化がないのか確認しながら出店場所を選定するように心がけましょう。

5.まとめ

地方や田舎で出店をする際は、ただ安いから出店をするのではなくある程度確かな「勝算」をもとにお店を出店する必要があります。今回紹介したポイントを参考に出店を検討しましょう。

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