飲食店をこれから開業しようとしている方は、飲食店を開業するまでの流れと注意すべきポイントを把握しておくと、スムーズに開業準備が進められます。
本記事では、飲食店で開業をするにあたりどのような流れでおこなわれるのかを紹介し、気をつけるべきポイントを紹介します。
1.ポイント①コンセプト作り
開業準備で最初に検討すべきポイントは、コンセプト作りです。コンセプト作りを借りる店舗を契約した後に決めれば良いと検討している方は、開業後集客が全く期待できない可能性があります。
お店がある程度準備が整った段階でコンセプト作りをするのではなく、開業前からコンセプトをしっかり検討するようにしてください。
コンセプト作りをどのようなお店にすればよいかわからない場合は、次のようなことに意識をしてお店作りを進めイメージしましょう。
1-1.ターゲット層の選定
まずは、開業しようとしている飲食店が、どのようなターゲット層に刺さるお店なのかを調査してください。
ターゲット層をしっかり決めておくと、客層が好むお店はどのようなものかを比較的簡単に考えられるようになります。
例えば、仕事帰りのビジネスマンをターゲットにしているお店と、20代女性をターゲットにしているお店では、提供するお酒、料理が異なります。
まずはターゲットを誰にするのかをはっきりと定めながら、飲食店のベースとなるコンセプトを検討しましょう。
1-2.ライバル店の調査
コンセプトがある程度固まった段階で、ライバルとなるお店を調査しましょう。イメージに近いお店で成功しているお店は何らかの成功要因があります。
一体なぜお店に人が訪れるのかを細かくチェックしていきましょう。
この時、メニューだけでなく、提供方法、従業員の動き、設備など、経営者目線でライバル店をチェックするように心がけてください。
1-3.内装業者との打ち合わせ
コンセプトがある程度固まったところで、内装業者の選定をおこないましょう。店舗のコンセプトと内装はリンクさせる必要があります。
物件が確定した段階で内装業者を探すという方法もありますが、少しでも開業期間を短くしたいと検討しているのであれば、事前に内装業者の選定をおこなうと、スムーズに工事に取りかかれるので、物件探しとあわせて進めていくように心がけてください。
1-4.仕入れ先の選定
お店のコンセプトによっては、仕入先業者を慎重に検討する場合があります。
特に全国からこだわりの食材を提供する居酒屋などを検討している場合は、全国各地の生産者と契約する必要があります。
場合によっては、直接全国各地の生産者と契約をしなければならないことも考えられるので、仕入れ先にもこだわりを持つ飲食店を検討している方は、コンセプトを決める段階から仕入れ先との交渉を進めるようにしてください。
2.ポイント②物件探し
コンセプトが決定した段階で、物件探しをおこないましょう。
物件探しをおこなう際は、次のようなポイントに注意をしながら検討するようにしてください。
2-1.場所の選定
場所選びで困った場合は、ターゲット層が多いエリアでの出店を検討しましょう。
ターゲットが少ないエリアにお店を出店しても、想定しているお客さんを集客できない可能性があります。
さらに、ターゲット層が多いエリアでも、人通りの多い場所を選ぶようにしてください。
ただし、隠れ家的なお店を目指しているのであれば、人通りの多い場所ではなく、人通りの多い通りから少し歩いたところに場所を選定するなど、コンセプトに合わせるように理想のお店を検討しましょう。
2-2.周辺環境調査
候補となる物件を探した段階で、すぐに契約をするのではなく周辺環境調査をするようにしてください。
ターゲット層に刺さるエリアで、理想の場所に出店しようと検討していても、既に同じようなコンセプトの競合店が出店している可能性があります。
このようなエリアに出店をしても、お客さんの奪い合いになるだけでなく、場合によっては競合店との競争に負けてしまう可能性があります。
周辺環境を調査し競合店が存在する場合は、そのエリアに出店をしたいという理由は、競合店と差別化ができる何かを持っていない限り物件選びを再検討するようにしましょう。
2-3.契約金の確保
物件選びが決まると不動産会社に保証金や礼金を支払う必要があります。
保証金は一般的に3カ月〜10カ月、礼金は1~2カ月と一般的な賃貸物件と比べて支払うお金が多くなるので、必ず契約金の確保を忘れずにしておきましょう。
3.ポイント③資金調達
開業準備を進めるにあたり、資金調達が必要不可欠になります。資金調達はどのようにおこなうか資金調達方法を検討するようにしましょう。
3-1.必要最低限の資金設定
資金調達をする際は、最低資金を設定しておくと、資金調達をどの程度おこなう必要があるのかが把握できるようになります。
一般的に新規で飲食店を開業する場合は1,000万円程度必要になると言われています。
1,000万円あれば、物件探し、内装費用、その他に必要な費用をまかなうことが可能です。1,000万円以下でも開業は可能です。
開業を検討する際は、どの程度の資金確保が必要になるのか、あらかじめ想定しておくように心がけましょう。
3-2.資金が集まらない場合検討すること
自己資金で賄う方法が最も良い方法ですが、資金が手元にない場合が多くあります。
このような場合は、銀行から融資を検討しても融資してもらえない可能性があるので、日本政策金融金庫の融資や、地方銀行の制度融資を利用するようにしてください。
また自治体によっては開業者を支援する補助金制度を設定しているケースもあります。このような制度を利用すれば、開業に必要な資金の一部を負担してもらえます。
資金調達をする際は、出店を検討している自治体で開業者に対しての支援制度はどのようなものがあるかを確認し、日本政策金融金庫など、新規開業者でも比較的融資が可能な制度で資金調達をおこないましょう。
3-3.開業後の収益を設定しておく
資金調達をする際は全ての資金を投入するのではなく、開業後の赤字を支えるための余力を残しておくようにしておきましょう。
この時最低収益を設定しておきましょう。開業は成功だけでなく失敗もある程度想定しておく必要があります。
もちろん、失敗を前提に検討する必要はありませんが、最悪の事態が起きた時に対処できるようになります。
そのため、収益を設定しどのラインで経営できていれば、無理のない返済も可能になるので、ある程度設定しておくようにしましょう。
4.ポイント④従業員の採用・教育
店舗準備がある程度固まってきたところで、従業員の採用をおこないましょう。
従業員はお店を運営していくうえで必要不可欠な存在です。
従業員の採用・教育は次のようなことに気をつけましょう。
4-1.開業1カ月前に雇う
従業員の採用の理想は、開業1カ月前にスタッフが揃っているように採用計画を進めることです。
お店のオペレーションに慣れるまでに1カ月程度の準備期間が必要になります。
特に開業直後にお店に携わる従業員は、オペレーションをある程度把握しておく必要があるので、2カ月前から面接をおこない、スタッフを揃えるようにしてください。
4-2.未経験者と経験者のバランスを調和よく
従業員を雇う際は、未経験者と経験者のバランスを整えておく必要があります。
未経験者ばかりいる飲食店では、飲食店の基礎的な教育をおこなう必要があり、準備期間が1カ月では間に合わない可能性があります。
一方で、経験者ばかりを集めて雇うと、既存のノウハウでオペレーションに従わないこともあります。
さらに経験者が多い環境の場合、未経験者が入りづらい環境となり、その後の従業員の採用活動で苦労してしまうことがあります。
経験者がいると、経験者が未経験者をフォローできる体制を整えることが可能なので、バランスよく採用するように心がけましょう。
4-3.開業後はオペレーションを見直す必要がある
開業前に作成した従業員へのオペレーションが通用しないこともあります。
このような場合は従業員の意見を聞きながら働きやすい環境を整えるようにしましょう。
働きやすい環境を整えることも開業者にとっては、やるべき大切な要素となります。
オペレーションやマニュアルを作成した後は、従業員が本当にやりやすいものかどうかを検討しましょう。
事前に確かめたい場合はプレオープンをして従業員の動きを確認する方法もあります。
万全な状態でオープンを検討している方は、プレオープンの機会を作り従業員の動きを確認しましょう。
4-4.年齢層も偏らないようにする
偏った年齢層の従業員を雇うと、開業後の人間関係でトラブルになってしまうことがあります。
採用する際は、バランスのよい年齢層の従業員を雇うようにしましょう。
またエリアによっては日本人だけでなく外国人スタッフを雇う方法もおすすめです。
そのエリアで集客が想定されるお客さんに良い接客が期待できるスタッフを積極的に雇うようにしましょう。
5.成功するために必要なこと
この他にも飲食店で開業成功させるために必要なポイントが多くあります。その中でもどのお店にも共通している大切なことがあります。
それは、緻密な計画を検討し開業準備を進めていくことです。
成功するためには、開業前から緻密な計画をしっかり検討しておく必要があります。
計画がしっかり定まっていない状態で開業を進めていくと、開業後にうまくいかない可能性があります。
このような事態を避けるために、必ず開業計画の段階で今回紹介したポイントをどのようにしてクリアしていくのかを検討するようにしてください。
飲食店を開業することは知識があればある程度できてしまいます。
しかし、開業後何年も経営を安定させるためには経営者の努力が必要になります。
なぜ飲食店を開業したいかしっかり検討しながら開業準備を進めるようにしてください。
6.まとめ
これから飲食店を開業しようと検討している方は、今回紹介したポイントに注意をして開業準備を進めるようにしましょう。
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