飲食店を開業するにあたり、必要最低限の資格と保有した方がよいという資格があります。本記事では、飲食店おを開業するにあたり必要な資格はどのようなものかを紹介します。
1.飲食店開業に必要な資格は2つ
飲食店を開業しようと検討している際には、最低限取得しておく必要があります。その資格が、「食品衛生責任者」と「防火管理責任者」です。これらの資格を取得していないと、飲食店を開業できません。
これらの資格は誰かが取得していれば良いということになりますが、従業員に取得をさせておくと、その該当者が退職をした際に別の人間が資格を取得しなければならないというデメリットがあるので、基本的には開業者か店長を任せる人間が取得しておくことをおすすめします。
2.食品衛生責任者について
食品衛生管理責任者の資格はどのような流れで資格を取得できるのかを紹介していきましょう。
2-1.資格取得の条件
食品衛生協会が主催している講座を6時間受講することで資格を取得することが可能です。また。調理師、栄養士、作業衛生管理の責任者などの資格を取得しておくと、講習を受けなくても食品衛生管理者として働くことが可能です。
2-2.どのような役割
食品衛生管理者の役割は、店内の衛生管理をおこない改善の必要があれば指導をすることです。また、店内の衛生環境を維持するだけでなく、都道府県ごとに定期的に開催される研修会に参加する必要があります。
2-3.取得場所
取得できる場所は、各都道府県どこでも受講することが可能です。神奈川県で取得をしても、東京都で活用することが可能です。日程表は食品衛生管理協会が発表しているので、開催時期を事前に調べて申し込むようにしてください。受講料は1万円で受講が可能です。
2-4.気をつけること
資格を取得すると、「確認証」と呼ばれる職人衛生管理者として正しい知識を持っている人として証明をする証明書とステッカーが配布されます。この確認証が無いと飲食店を開業できないので、必ず資格を取得したらステッカーを店内に貼り、確認証は店内の安全な場所穂で保管をしておくようにしてください。
3.防火管理者について
飲食店の開業で必要な防火管理責任者の資格がどのような資格なのか紹介していきましょう。
3-1.防火管理責任者とは
防火管理責任者とは、火災が発生した際に最小限に被害を食い止めるため事前に火災を防止するための対策を立てる人のことを指します。飲食店は、特定用途の防火対象物に該当し、防火対策が必要であると定義されています。
ただし、防火対策が必要であるとされている建物は、収容人数が30人以上という規定があります。この30人とは店員とお客さんを含む人数で30人以上超えるお店は取得しなければいけません。30人以下の飲食店では取得をしなくても良いとされています。
しかし、ビルなどに入居をする場合、30人未満の飲食店でもビル全体で30人以上収容できることになると、テナントごとに防火管理責任者の資格が必要になる場合や、地下街などの場合は地下街の統括管理防火責任者と連携を取る必要もあります。
飲食店は小規模のお店でも火災が発生するリスクがあるので、取得をしておくように心がけてください。
3-2.資格の種類
防火管理責任者には、2つの種類の資格があります。300平方メートル以上で30人以上収容する場所では、甲種、300メートル未満のお店は乙種の資格が必要になります。どの種類の資格が必要なのかを事前に確認し、申請をおこなうようにしてください。
取得する資格がわからない時は、一度消防署に問い合わせをして、必要な資格が何かを検討するようにしてください。
3-3.取得に必要なこと
取得には1日での取得が可能です。受講内容は都道府県によって異なりますが、大まかな流れは同じです。火災についての知識を学び、最終的に効果測定を受けます。乙種の防火管理講習では、消防計画や防火管理といった専門的な講習もあります。また、2日間に分けて防火と防災を学ぶ講習もあります。
3-4.取得すべき人
取得する人間は管理をする人間なので、必然的に店長もしくはオーナーが取得する必要があります。1人取得しておけば開業が可能になりますが、退職時の際取得を想定し、店長だけでなくオーナーも取得しておくようにしてください。
4.調理師免許は取得すべきかどうか
飲食店の資格として、調理師の免許を取得すべきかどうかと悩んでいる方がいるかもしれません。調理師の免許を取得する必要はありません。資格がなくてもお店を開業が可能です。取得しておくと、どのようなメリットがあるのでしょうか
4-1.講習の免除
最大のメリットは食品衛生管理者の講習を受けなくても良い点にあります。開業準備で時間がない中でスケジュールを組む必要のある講習を受けなくて良いので、スムーズなプランで開業準備を進めていくことが可能になります。
4-2.信頼度の上昇
調理師の免許を持っていると、お店自体の信頼度にも関係します。正しい知識を持った人間が調理を担当しているということをアピールするだけでなく、オリジナルメニューを開発するうえでも、調理師が考えたメニューとして信頼度が高くなります。お店としての差別化を図りたいのであれば、調理師の免許を取得も検討しておきましょう。
4-3.調理師のデメリット
調理師の資格は簡単に取得することができない資格です。
調理師学校に通うか、2年以上実務経験をし、そのうえで国家試験を受けてクリアしなければ調理師の免許を取得できません。
2年以上の実務経験のある方は、調理師の資格を取得する価値はありますが、そうでなければ取得するだけでもかなり苦労することが考えられるので、調理師を雇うことを考えてスタッフの求人をおこなうようにしましょう。
5.その他あると便利な資格
飲食店を開業するのであれば、「食品衛生管理責任者」と「防火管理者」の資格さえあれば、開業が可能です。
しかし、そのほかに役立つ資格が調理師以外にもさまざまなものがあります。ここからはあると役立つ資格を紹介しましょう。
5-1.野菜ソムリエ
飲食店の中には有機野菜を武器にして差別化を図るお店もあります。野菜ソムリエの資格を保有していると、美味しい野菜の選び方、食べ方を提案することが可能になるので、お店のメニュー開発に役立てることが可能です。
5-2.ソムリエ
お酒をメインにした飲食店を検討しているのであれば、ソムリエの資格があると差別化が可能です。
ソムリエの資格があれば、ワインに対しての知識をお客さんに教えるだけでなく、料理に最適なワインを提案することが可能になります。お酒での差別化を検討しているのであれば、ソムリエを検討しましょう。
5-3.魚料理アドバイザー
魚をどのように調理をするかをアドバイスできる魚料理アドバイザーという資格があります。この資格を飲食店で活用すれば、スタッフの間で正しい魚のさばき方をレクチャーすることが可能です。
また、飲食店の開催するイベントとして、お客さんに向けてどのように魚を裁けばよいのか、正しい魚のさばき方講座を開講することも可能です。もちろん、このような資格が無くても魚を取り扱ったお店を開業することができますが、他店との差別化が可能になるので、検討してみましょう。
5-4.お肉ソムリエ
さまざまな肉の加工方法や知識に特化した「お肉ソムリエ」もあります。
この資格を持っていると、効率的な食べ合わせの方法や、正しい下処理の仕方、美味しいお肉を食べる方法などをレクチャーすることが可能です。
お肉を売りにしているお店がこの資格を活用すれば、集客効果を期待することが可能になります。
認定試験であるものの、在宅銃剣が可能なので、比較的簡単に資格を取得することが可能です。
6.資格を取得する際に気をつけること
以上のように、最低限必要な資格とそうでない資格が飲食店にはあります。
最低限の資格は取得し、そのほかの資格を取得すべきかどうか迷う経営者の方もいるのではないでしょうか。そのような場合は次のような視点で資格取得の必要性を検討しましょう。
6-1.開業のために必要不可欠な資格かどうか
例えば高級レストランとして開業し、いつかミシュランガイドに掲載されたいと考えているのであれば、ソムリエを雇う必要があります。この時ソムリエの知識を確かなものにするため、資格保有者を雇った方が、お店にとって有利になります。
しかし、その一方で、ソムリエの資格を持っていなくても、ソムリエのポジションとして働いても違法ではありません。まずは本当にその資格がなければいけないのか検討するようにしましょう。
6-2.差別化のアプローチを考える
資格を保有していることをアピールすることで、他店との差別化が可能になります。しかし、それだけが差別化をする方法ではありません。メニュー、内装、スタッフなどで差別化をすることも可能です。資格で差別化を図ると、安易な差別化となるだけでなく、他のお店も同じような戦略を考えていることもあります。
資格で差別化を図るのではなく、資格をどのようにして活用し差別化を図るのかという視点で考えるように心がけましょう。
6-3.資格は余裕ができたら取得というスタンスを
資格を取得することで、経営の幅を広げられる可能性がありますが、開業時は集客や経営が未知数なところがあるので、はじめから無理に資格を取得する必要はありません。大切なことは開業のために必要な資格を取得することです。
それ以外の取得する必要のない資格は、余裕のある時に取得するように心がけましょう。開業後に資格を取得しても遅いことではありません。
新規開業のお店は、資格で来店するかどうかを判断していません。また来たいと思うかどうかが重要なので、資格にとらわれないよう柔軟な経営戦略を考えるようにしましょう。
7.まとめ
飲食店を開業する際は、「食品衛生管理者」と「防火責任者」は必ず取得しなければなりません。
どちらも短期間で取得が可能なので、開業準備をおこなう際は、事前にスケジュールを設定してその期間内に取得することを心がけましょう。
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