チェーン・フランチャイズ店を開業するときのポイントや注意点は

Franchise

チェーン店をこれから開業しようと検討している方は、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。
本記事ではチェーン店の開業を検討している方が気をつけるべきポイントについて紹介します。

1. チェーン店を開業するメリット

チェーン店を開業する方は、次のようなメリットがあります。

1-1. 低リスクで開業が可能

通常飲食店を開業する場合、開業資金を1,000万円程度調達し、店舗契約をして、各申請書類を提出し、宣伝をおこなったうえで経営する必要があります。
新規開業のお店は、認知度がないので最初の数ヶ月は赤字経営でお店を営業する可能性も考えられます。
最悪の場合は半年で閉店という事も考えられ、失敗した時のリスクは経営者にとって痛手となってしまうことが予想されます。
一方でチェーン店の場合は、ノウハウを既に持っているので安定的な経営が開業当初から可能になります。低リスクで飲食店を開業したいと検討している方は、オススメの方法だと言えるでしょう。

1-2. ノウハウをそのまま利用できる

チェーン店の培ってきた経営ノウハウはもちろんのこと、メニューもそのままお店で流用が可能です。新規でメニューを開発する手間が省けるので、経営者は運営に専念できるというメリットがあります。

1-3.集客効果が期待できる

全国展開するチェーン店の経営者となれば、開業当初から高い集客を期待できます。
さらに、固定客が全国にいるので、開業後に集客が一気に落ちるということもありません。知名度により安定的な経営が可能となるので、集客をどのようにすべきかと頭を悩ませなくても良いと言えるでしょう。

1-4.本部からの手厚いサポート

経営状態が悪くなった場合や、アルバイトスタッフの管理がうまくできない場合は、本部からサポートを受ける事も可能です。
優秀な本部スタッフのサポートがつけば、売り上げをさらに高める事も可能です。個人店では全て自分の方針で経営をしなければいけないので、間違った戦略を立ててしまうことがあります。
しかし、本部のサポートがあれば客観的なアドバイスを聞くだけでなく、本部が培ってきたデータを根拠に経営戦略を検討することが可能になるので、より精度の高い経営が期待できると言えるでしょう。

1-5.業種が豊富

飲食チェーン店といっても、さまざまな業態のお店があります。
和食、洋食、居酒屋、ファミリーレストランなどさまざまです。業種が豊富なので、自分のやりたい飲食店を見つけることができます。

2. 開業で気をつけること

チェーン店の開業を検討している方は、失敗しないように次のようなポイントに意識してお店を選ぶようにしてください。

2-1.ロイヤリティの算出方式

チェーン店で最も重要なものが、ロイヤリティです。
独自のノウハウを提供する代わりに、本部は売り上げの一部をロイヤリティとして受け取ります。ロイヤリティの算出方法は大きく分けて2種類存在します。
・通常の総売上からロイヤリティを算出する方法
・売り上げに応じてロイヤリティを算出するか
チェーン店によっては、売り上げが良いお店はロイヤリティのパーセンテージを低く設定するという方針で契約をしているお店もあります。
悪徳なお店になると、厳しいロイヤリティで経営者を苦しめてしまうこともあるので、必ずロイヤリティがどの程度なのかを確認してから契約をおこなうように心がけてください。

2-2.出店場所の指定有無

チェーン店によっては、エリアを指定して経営者を募集するという方式で募集をしているケースがあります。
このようなチェーン店で開業を検討しているのであれば、良い立地場所の経営者になれる可能性があります。
出店場所を指定できるのか、本部が設定するのか、どちらの方式でお店が提供されるかを検討するようにしてください。

2-3.準備期間の選定

チェーン店を開業することになっても、短期間で開業できる人もいればそれなりに時間が必要な場合もあります。
飲食店を開業したことがない方は、急いで開業準備を進めると失敗してしまう可能性があります。ゆとりのある準備期間を設定して、準備を進めるように心がけましょう。

3. チェーン店のデメリット

チェーン店は低リスクで開業ができる一方で、さまざまなデメリットもあります。ここからは、失敗しないようチェーン店の開業にあたってのデメリットを紹介していきます。

3-1.自分のアイデアができない

チェーン店は本部の意向によってお店を経営していく必要があります。
そのため画期的なアイデアを思いついても、自由に使えない場合があります。その一方でお店独自にメニュー開発を任せるというチェーン店も存在します。
しかし、基本の経営方針は本部の方針の意向に沿って経営をしなければいけないので、自由度が少ないと感じてしまうこともあります。
自由な経営を検討している方にはおすすめできません。

3-2契約内容によっては.経験が活用できない可能性も

ノウハウを学んだところで個人店を開業しようとしている方は、チェーン店の脱退後同じ業種での経営が難しい事も考えられます。
ほとんどのチェーン店では脱退後の制約を厳しく指定していることがあります。
この制約のために、自分の経験が飲食店のノウハウとして発揮できない可能性があるので、将来的に個人店を出店しようと検討している方は注意が必要です。

3-3.連帯責任による営業

チェーン店は、本部の方針によって経営をしなければならないので、他のお店でトラブルが起きた時は実際に被害がなくても対策をする必要があります。
最悪の場合はお店を一時的に閉店させなければいけないこともあります。
実際にバイトテロなどによって、健全な経営をしていたお店がたった1つのミスのために閉店に追い込まれてしまったこともあります。
経営者が良いと判断していても、本部によって経営方針を修正されることがあるので、注意が必要です。

3-4.デメリットも多いと感じた方は別の方法を検討

チェーン店はメリットが多い一方で、デメリットも多く存在しています。
特にオーナーを辞めた後同じ業種のお店が経営できないというリスクもあります。
どうしてもチェーン店で開業しなくてはいけないという考えでなければ、別の方法を検討することもおすすめします。

4. チェーン店の後継者として働く方法は可能か

チェーン店を新規で準備するとさまざまなリスクが潜んでいることがわかりました。
しかし、チェーン店の中にはうまく経営しているお店もあります。このようなお店を引き継ぐことは可能なのでしょうか

4-1.本部の了承があれば可能

一見すると、チェーン店の事業継承は難しいように思われがちです。
しかし、実はチェーン店でもオーナーを後継者として引き継ぐことが可能です。
もし、経営状態が良いチェーン店の後継者となりたい場合は前向きに検討しましょう。
ただし、本部の了承が必要なことと、場合によっては契約内容が継承するタイミングで変更されることもあります。
引き継いだ後は、本部の制約の下で経営をしなければいけないので、注意が必要です。

4-2.自由度を選ぶなら暖簾分けという形で開業を

自由な経営方針で開業したいものの、チェーン店のようにリスクを抑えて開業したいと検討している方は、比較的自由な形で経営ができる暖簾分けを検討しましょう。
個人店で認められて暖簾分けが許されれば、ノウハウをそのままに開業が可能です。
また、場合によっては個人店が多店舗展開を検討している場合、出店資金をある程度支援してもらえる可能性もあります。
またお店によっては後継者としてそのままお店を引き継げる場合もあるので、チェーン店のような方式に近い開業を検討している方は、前向きに検討することをおすすめします。

5. 後継者店の選び方

個人店の暖簾分け候補として探す場合や、チェーン店の後継者として働く場合でも、お店を慎重に検討する必要があります。
ここからは、後継者を募集しているお店をどのように選べばよいか、ポイントを押さえながら解説をしていきます。

5-1.経営状態の確認

健全な経営をしているかどうか判断するために、必ず経営状態の確認をするようにしてください。
経営状態が悪いお店の後継者となっても、負債を抱えてしまうリスクがあります。集客状況を確認しましょう。
チェーン店の場合は、近隣エリアのお店と比較をして集客状況が問題ないか確認してください。
さらに、アルバイトの配置状況などを確認しておくと、経営後にスムーズに運営できるかどうかを判断することが可能になります。
個人店の場合は、集客状況と設備投資をメインに経営状態を確認するようにしましょう。

5-2.将来性の判定

集客力のあるチェーン店でも、周辺環境が変化すれば集客に大きく影響が発生する場合があります。
周辺にオフィスビル、タワーマンションの建設予定がないか確認するようにしましょう。
またある程度の集客が見込まれている地域でも、高齢化が進んでいれば近い将来集客が全く期待できない可能性があるので注意が必要です。
お店を選定する時は、数年期間で検討するのではなく10年単位で判断するようにしましょう。

5-3.仲介サービスの利用を

さまざまな項目をチェックしても、飲食店の開業経験がなければ良いお店かどうか正しい判断ができない場合もあります。
このような方は仲介サービスを利用してお店探しをするように心がけましょう。
仲介サービスには、後継者を探しているお店も多数あります。仲介サービスを通して意欲の高いお店を紹介してもらえれば、スムーズに後継者として開業が可能です。選定に困った時は仲介サービスを利用しましょう。

6.後継者求人なら「飲食店のツナグ」

「飲食店のツナグ」では、さまざまな業態の飲食店と、後継者希望者をマッチングする求人サービスです。後継者を探しているチェーン店を紹介することも可能です。ぜひこれからチェーン店での開業を検討している方は、「飲食店のツナグ」をご検討ください。みなさまからのお問い合わせを心よりお待ちしております。